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2025 WIS Review: 立場を変えて考える力を

  • kikkajuku
  • 10月11日
  • 読了時間: 3分

 僕が訪れた静岡県下田市は日本国内であるがまるで別世界であった。人と人との距離が驚くほど近く、豊かな自然と歴史的なもので溢れていた。趣味で釣りなど海でのアクティビティを普段から楽しみ、自然環境のいい大学を選んだ僕には理想的な地域であった。ただそんな理想的な地域であっても、そこの住人は自分の住む地域に危機感を感じていると知り、今回の下田ワークショップでは実際に訪れ、学生、市長、農家の方など色々な視点から見た下田の問題点や魅力を聞き地域復興の方法を考えた。

 まず風まち下田というシェアハウス施設に三日間ほど滞在する機会があった。下田市では知らない人が少ないほど、市長や海外の方も含めて色々な人が集まる施設であった。その施設を経営しているのは東京から下田に移住してきた方で、下田の人と人との距離の近さや地域の良さに感銘を受けたそうだ。さいとうスクールの子供たち、市長、風まち下田に滞在している方々とバーベキューを交えて交流している時に、人との距離の近さを感じた。人見知りをする人はまずいなかった。私が住んでいる地域ではまず市長に会う機会が滅多になく、どこかの塾の子供たち全員と知り合いになるということはまずないからだ。寿司作り体験でお世話になった方々もその日の夜には風まち下田で見かけた。色々な人が関係を持っているのだ。また新しく来た海外の方や客である僕らを歓迎し下田と自分たちの地域を比べてどう思うかや、自分の地域の魅力について話し合った。下田はこうやって人との距離が近く住みやすいこと網力の一つなのだ。

 下田高校の学生たちと交流した際には、彼らの下田の好きなところと不満なところ、そして実際にそれをどう解決するかを話し合った。驚くことに学生たちは皆自分の考えをスラスラと話すことができるし、将来のことを考え下田に住み続けて地域復興に貢献したい人もいれば、下田を離れて都市部の生活を送り下田に帰省した後にそれを生かしたいという人もいた。伊豆急下田の高額な電車賃や遊び場の少なさ、自習室など勉強する場所の少なさを問題点として上げる学生が多くいた。もっと勉強したいし、もっと遊び場を作り人と時間を共有したいという彼らの言葉に、私は高校生の時に学校や住んでいる地域に不満を持っていたらそれを本気で変えたいという姿勢を持っていただろうか。我々には何もできないから考えても無駄という言い訳をしていた気がする。下田高校の学生たちのように問題があるからただ不満をいい誰かが行動してくれるのを待つだけではなくそれをみんなで変えていけるように自分たちが考えようという姿勢を皆が持つべきだと思う。

 今回のワークショップでは、色々な立場からものを考えられるとてもいい機会だった。カウンセリングコーチ実践練習や、慶應ニューヨーク学院卒業生の人たちの話もたくさん聞くこともでき自分を見つめ直すこともできた。最近で一番考えることをした気がするし、自分はここまで考えることができると自分にも驚かされた。自分は何に興味があるかがわかっていてもそれをどうやって行動に移したらいいかわからなかったり、問題点の改善作がなかなか思いつかずに迷っている人はぜひ人との距離が近い下田を訪れ色々な立場の人の話を聞き視野を広げて、自分の考える力を養ってほしい。

 

 

 
 
 

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